スイッチの動作・接点構成(初心者向け)基本的に、わかりやすく説明
スイッチは、操作によって内部の接点を接続・切断させ、電気の流れを導くとスイッチの基本記事に要約しました。
この記事では、そのスイッチの接点を中心にその種類を記述します。
開閉
スイッチによって、回路が繋がった(接続)された状態をON(状態)と言い、逆に
離れた(切断)状態をOFF(状態)といいます。
その他、スイッチの状態には別の言い方(表現)もあります。
ON | OFF |
入 | 切 |
閉 | 開 |
接 | 断 |
クローズ(Close) | オープン(Open) |
メイク(Make) | ブレイク(Break) |
接点の種類
スイッチは内部にある導体の接続状態で作動し、この導体(接点)の接続状況によって分類されます。
リレーの接点構成とも類似しています。
a接点(メイク接点)
- スイッチが入っていない状態で、接点が離れている(通電されない)→(OFF)
- スイッチが入っている状態で、接点が接触している(通電される)→(ON)
スイッチ ONを英語でMakeそのMで、M接点または a接点とも言います。
b接点(ブレイク接点)
上記a接点の逆で、
- スイッチが入っていない状態で、接点が接触している(通電される)→(ON)
- スイッチが入っている状態で、接点が離れている(通電されない)→(OFF)
スイッチ OFFを英語でBreakeそのBで、B接点または b接点とも言います。
c接点(トランスファー接点)
一つのスイッチにa,b接点の両方を持つ構造で、共通(COM)端子、常閉(NC)端子、常開(NO)端子から構成されています。
常にどちらかの接点が接触される状態にあり、接点が相異関係で接続します。
操作によって相異の接点と接続されることで別回路へ接続する、つまり回路を切替ることができます。
極数・接点数
スイッチは、制御できる回路数とその種類を「極」と「投」で表します。
極(Pole)
一度の操作で同時にスイッチをON/OFFできる回路数 これを 極(Pole)と表します。
- 単極:1組
- 2極:2組
- n極:n組
上記の様に、内部にそれぞれの組数が入っている数を表しています。
投(Throw)
スイッチが制御できる回路上の接続経路数を 投(Throw)で表します。
- 単投:単純なON/OFF ”A,B接点”
- 双投:どちらでもON(接続経路の切替え) ”C接点”
接点の種類 a接点・b接点は単投(Single Throw) C接点は双投(Double Throw)で表します。
表現
スイッチは、「投」と「極」の組合せで、スイッチの構成を指定することができます。
単極単投
- 単純なON/OFF(どちらか1極の接点がON)
- 1回路1接点 又は SPST:Single-Pole Single-Throw ”SPST”と呼ぶ場合もあります
単極双投
- 切換え(どちらの接点ともON)
- 1回路2接点 又は SPDT:Single-Pole Double-Throw ”SPDT”と呼ぶ場合もあります
双極単投(2極単投)
- SPDTが2回路構成のもの
- 2回路2接点 又は DPST:Double-Pole Single-Throw ”DPST”と呼ぶ場合もあります
双極双投(2極双投)
- SPSTが2回路構成のもの
- 2回路1接点 又は DPST:Double-Pole Double-Throw ”DPDT”と呼ぶ場合もあります
その他
上記外にも、3極以上の多極、多接点構成の物も存在します。
機能動作
スイッチは、その構成を上記の様に極数と接点数で表しますが 機能の動作としては、「モーメンタリ」と「オルタネイト」方式として表現します。
単純な表現すると、モーメンタリは「操作中のみ状態保持」、対してオルタネイトは「操作後でも状態保持」を意味します。
ここでは、この機能をプッシュスイッチ(押しボタンスイッチ)にて説明します。
モーメンタリ
英語で Momentary(モーメンタリ)で 瞬間を意味し、
下記の図の例では、”ボタンを押している間だけON”状態になり、ボタンから手を離すとOFF状態に復帰(OFF状態に戻り)します。
「自己復帰」タイプともいいます。
例では、エレベータやバスの降車スイッチなどでもお馴染みの方式でよく使用されています。
オルタネイト
英語で Alternate(オルタネイト)交互、代わるを意味し、
ボタンを押すとON状態になり、その後 手を離しても保持したままの状態になり、もう一度押すことりより解除されます。
「自己保持」タイプともいいます。
例では、非常用スイッチや主電源に利用される場面が多いです。
なお、もう一度アクションすることで復帰する(機能的に同様)な面では、トグルスイッチも同様な仲間となります。
まとめ
- スイッチは、制御できる回路数とその種類を「極」と「投」で表し、
その組合せで、スイッチの構成を指定することができます。 - スイッチの機能は、モーメンタリ(操作中のみ状態保持)とオルタネイト(操作後も状態保持)のタイプがある。