アイソレーションとは?(初心者向け)基本的に、わかりやすく説明
異なるジャンルで使われている「アイソレーション」
主に「隔離」や「分離」の意味を持ち利用されますが、本記事では電気・電子分野にて使用する、アイソレーションにて記述します。
アイソレーションとは
Isolation : 日本語では絶縁、隔離、分離 集団から離れて孤立していること。
電気の分野では、導体が分離している状態(電気的に離れて孤立している)
を示して絶縁することを言います。
目的
アイソレーションの目的は、電気・電子機器、装置など、その回路にて構成される異なる2つの部位(間)を、絶縁(アイソレーション)を行うことによって、ノイズやその他の影響を他方に及ばないようにすることが大きな目的です。
絶縁処理の必要性
家電から産業機会や医療機器まで多種多様な電化製品
その内部回路にて,”低電圧”から”高電圧”の広範囲の電位差で動作する部分が混在する場合、様々な影響や要因にて、不具合、誤動作、暴走、また時に人へ感電性の危険があります。
参考:
この原因の一つ、「GNDループ」の問題があります。
これは、回路間(2点間)でのGND電位が異なる状態が発生し、一次側のGNDからもう二次側のGNDへと電流が流れる経路が発生して、その影響で不具合・故障・破損する場合があります。
素子
回路の間に、問題となる電流が流れないような対策として、電気的に分離「絶縁」処理を行い処理します。
アイソレーション処理は、その役割を担う絶縁素子や装置などでの対策が一般的で、様々に存在しますが、一部代表的なものとして下記に示します。
フォトカプラ
LEDなどの発光素子とフォトダイオードやフォトトランジスタなどの受光素子を組合わせ、
光信号を用いて回路間の絶縁処理を施し、電気信号の伝送を可能とする電子部品です。
回路間の(一次側、二次側)GNDを絶縁し、アイソレーション処理を構成しています。
絶縁トランス
絶縁トランス ・アイソレーショントランスは、磁力(電磁誘導)の特性を利用して、1次側と2次側が電気的に分離構成されている変圧器です。
この分離構成にて電気的に絶縁され、感電や機器の損傷からノイズ対策等に利用しています。
ノイズ
電源や電気信号に妨害を与える不要な電気的な成分が「ノイズ」。
落雷や電磁波、またその他の様々な要因で、電子回路に侵入し、不安定な動作(機器の様々な不具合)を引き起します。
ノイズ対策
アイソレーション処理は、ノイズ対策の一つの手法としても有効とされています。
また、他の手法(シールド、グラウンド処置)との組合せによって、より効果的なノイズ対策が行えます。
保安
感電
感電は、電流が人体に流れて衝撃を受けること。
感電の衝撃やその症状は、単に「電圧」が問題ではなく、体に流れる電流や、流れた部位によってその影響は異なります。
電撃
感電によって人体に障害が及ぶことを「電撃」といいます。
流れる電流、その結果1mA程度でも感電してしまいます。
人体の抵抗
人体の抵抗は、「体内抵抗」と「皮膚抵抗」に大別されます。
体内抵抗:約150~500Ωと推定されています。
皮膚抵抗:乾湿・接触面積の大小などにより著しく変化します。
約1~5kΩと推定されています。
※他
対地抵抗:大地に対する床面の抵抗
ゴム底靴や電気用安全靴を使用すると、容易に対地抵抗を上げることとなり、
漏れ電流がある電気製品を触れた場合にも、人体に流れる電流値を小さくできます。
心臓
通常、心臓はリズミカルな調律的運動で、全身に血液を送り出しています。
感電による電撃反応で、心臓が痙攣し(心室細動)、全身の血液循環が阻害(つまり心臓が止まったのと同じ状態)となり、感電によって絶命する可能性が大変高くなります。
「医療機器等」は、漏れ電流に対する対策処理が厳しく要求され、
アイソレーション電源を用いた絶縁処理が多く実装されています。
まとめ
- アイソレーションとは、電気的な絶縁処理をすることによって、ノイズやその他の影響を受けないようすること。
- フォトカプラや絶縁トランス等による、部品や素子を利用する回路で構成される場合が多い。
- 感電防止の対策として、有効的な手法としても用いられている。