【電子工作】初心者向け!PICマイコン「活用方法」
電子工作でも便利に使用できるPICマイコン。
以前では、マイコンを利用する環境としては、それ相応の設備や原理の理解が必要でしたが、今では、このワンチップ・マイコンによって以前よりも便利・気軽に製作できます。
本記事では、これからPICマイコンを初められる方を中心に、汎用で電子工作に便利な8ビットでDIPタイプでの活用方法を記述します。
はじめに
マイコンは小さなコンピュータ、もちろんコンピュータシステムの開発運用は、プログラムを作成し活用することです。
冒頭でも述べましたが、費用が安く手軽に始められるワンチップマイコン、特に汎用PICマイコンでは、単品のICとその姿は全く同じです。
従ってその部品の機能を動作させる環境を整えることが必要となります。
※シングルボードマイコン・ワンボートマイコン等とは異なります。
必要なもの
プログラムを作成し、それをマイコンのROMに書込み実行するために、
PC
PICマイコンに関連する情報の収集や開発環境の中心となるPCを準備しましょう。
最新のWindows搭載機(2021年Win10現在)など
プログラム開発
コンピュータを実際に機能・動作させるには、もちろんプログラムが必要です。
製造メーカーのマイクロチップ・テクノロジー社 から、統合開発環境(IDE:Integrated Development Environment)と呼ばれ、エディタ、コンパイラやデバッガ等が提供される、マイコン開発ツール(マイコンソフトウエア開発環境)が便利に利用できます。
MPLAB X IDE
- ソフトウェア
XC Compiler - シュミュレータ
MPLAB SIM Simulator - プログラマ
PICkit3/4・ - プラグイン
MPLAB Code Configurator・
など、多くのプログラム群の集合体で構成され、一部フリー(無料)で利用でき(基本的な要素でも十分な機能)全ファミリー対応、「商用使用可能」です。
※Versionにて、プログラミング言語のサポート範囲(アセンブラ等)が異なるようです。(2021年現在)
マイコンへの書込み
PICマイコンはワンボードマイコンとは異なり、プログラムを書込む為の装置(ROMライター)が必要となります。
色々なもの(自作される方、メーカー製など様々)がありますが、接続方法やその他関連する情報の収集に有利なメーカー製を推奨します。
対象となるPICの型式などのサポートやデバック機能(PICマイコンのプログラムを動作させながら、プログラムのチェックをする機能)なども考えるとPIC製造元でもある Microchip社 純正の「PICkit 3」又は「PICkit 4」最新(2021年現在)
の利用が便利です。
PICkit 3 | PICkit 4 | |
USB転送速度 | フルスピード (12Mbps) |
フルスピード又はハイスピード (480Mbps) |
ターゲットボードへの電源供給 | 可能(Max 30mA) | 可能(Max 50mA) |
ターゲットボード電源電圧 | 1.8~5.0V | 1.2~5.5V |
外部接続コネクタ | 6ピンヘッダ | 8ピンヘッダ |
※PICkit4 最新のPIC製品互換、PC接続時のUSBハイスピード(高速動作)が可能
書込みアダプター
プログラムを書込む為のボード。
上記ライターとPICを接続するための、ライター接続用ボード
この書込み専用基板を使用することによって、プログラムの書込みに便利です。
汎用品から自作ボードまで、多種多様に存在します。
テスト
テストボード
プログラムを書き込んだPICマイコンの動作を確認(テスト)する為のボード。
ソフトウェア(プログラム)修正などPICの再セット容易さ及び、
ハードウェア(回路)上のテスト用ジャンーパーポイント設置など、テスト環境に適したテスト基板
このテスト検証を行った後に、PICマイコンを実機や製品に組み込みます。
電子工作で便利な、ブレッドボードを利用したものから、実機試験用の専用基板までその環境に合わせた形で運用されます。
デバッカ
MPLAB X IDEを利用の場合は、内部のデバックツールでブレークポイント(中断点)の設定、変数やレジスタ等を内容を確認しデバック作業を行います。
テスター
ハードウェアの仕様・回路上で電気的動作の確認ができる、マルチメータ(テスター)や詳細なデジタルパルス等の確認が必要な場合は、オシロスコープ等を用いて検証を行います。
資料
下記の様々な情報を準備して有効活用しましょう。
- 使用するPICマイコンのデータシート
- 利用するセンサーやモジュールの仕様書
- 部品表・回路図
- 書籍
Web上にある短編的な情報集よりも、確かな情報で充実された内容、情報が豊富な「書籍」の購入をおすすめします。
・PICマイコン解説書(同型式のPICマイコン)
・利用するプログラミング言語の解説書
・同シリーズのPICマイコン活用書現在では、沢山の書籍が出版されています。発行日が新しくかつ、使用する同一のシリーズを選ぶようにしましょう。
まとめ
- 手軽ではあるワンチップマイコンのPIC、しかしその姿は単品のICその物。
シングルボードマイコン・ワンボートマイコンとは異なり、利用には環境を整える必要がある。 - 書籍や他の情報も多く存在しますが、世代による環境等の違いなどの情報収集も重要となります。
- PICマイコンは、多くのファミリー(種類やシーリーズ)が存在するため、環境整備には使用する、その時のIDEやハードウェアシステムの環境が重要となります。