ICとマイコンの違い(初心者向け)基本的に、わかりやすく説明
複雑な電子回路を半導体チップに統合(集積化)し、構成される精密な電子部品
本記事ではそのICとマイコンとの違いを簡単に説明します。
集積回路
IC
IC (Integrated Circuit) 半導体などの電子部品を集積した回路の総称です。
ICとは?(初心者向け)基本的に、わかりやすく説明
マイコン
マイコンとは「マイクロコントローラ」の略称
現代では様々な電化製品の中で使用され、その周辺装置を制御する小さな電子部品です。
冷蔵庫を一例にその制御とは、
- 庫内の温度を監視
(温度センサーから情報を読取り) - 設定温度を判断
(設定された温度(n℃、高中低)比較) - 適正温度に管理
(比較結果に基づき調節) - 上記処理の繰返し
その手順書(プログラム)を実行し、機能を制御する電子部品です。
マイコンは、制御を主とする回路を半導体チップにまとめた集積回路
「マイコン」も「IC(LSI)」の一種と言えます。
※ なお、本記事ではその性格上、ICとマイコンは異なる物として表記します。
比較
代表的なパッケージ形状で見てみましょう。(下記は一例です(他に各仕様で様々に多種存在します))
左:タイマーIC(555) 右:PICマイコン(12F683)
この例では、両者共 半導体チップに集積された8本の足を持つ電子部品、
見た目は全く同じですが、その機能を動作させる方法が全く異なります。
処理
それぞれの動作を、「時(トキ)」を意識する機能を一例にすると・・・
IC
「電気的特性を応用」し処理します。
- コンデンサの放電特性を利用した(簡易的)方法で、その放電時間で「時」を得る方法や
(放電:溜まった電気が徐々になくなる事象(砂時計の砂を電気と見立てると、なんとなくわかりますよね))
- 水晶を活用し、その振動特性を利用した方法で(高精度)「時」の基準を得ます。
従って、異なった時間「時」を変えて処理したい場合は、特性が異なる別の部品や回路を組み合わせる必要があります。
・放電値の異なる回路(コンデンサの組合せ等)
・基準時間(時)からの計算(加減算等)回路の増設
マイコン
- プログラムを処理し実行します。
内部で発生させた基準信号を基に、演算処理を実行する遅延時間を計算しその周期で「時」を得ます。
演算処理:手引書(プログラム)に基づく内部動作。
- ICは電子回路の組合せの応用動作
- マイコンはプログラムよる演算手順の実行動作
根本的な違い
両者の決定的な違いをわかりやすく極端に表現します。
ICは、同一部品の複製(回路組合せ)で、同じ回路が出来上がり同じ機能として動作が可能ですが、
マイコンでは、同一部品を複製しても、中身のソフトウェア(プログラム)が無いと、その機能は実行できません。
・プログラム(ソフト・アプリ)が無ければ、動かぬパソコンと同様です。
まとめ
- 「IC」と「マイコン」は 同じ仲間
- 全く別の仕組みで機能し、動作する電子部品
- 「マイコン」は プログラム(手引書)を元に演算し動作
- 「IC」は 回路構成(部品多数)に伴う機能に応じたスペースが必要
「マイコン」は プログラムを必要とするが部品数が少なく済み、小型化が可能