【電子工作】初心者向け!回路図の基本、わかりやすく説明
電気関連の分野では、その専門性によってそれぞれの図面があります、
ここでは、電子工作に必要な回路図の、見方と書方について簡単に説明します。
回路図とは
電子回路の図面の一部で、部品の繋がりを示すものが「回路図」です。
回路図がある程度理解できれば、実際の現物が無くも検証が出来たり、同じものを作ることが出来ます。
回路図の描き方は、正確に言うとJIS規格、IEC規格などの工業規格で定められていますが、この記事では厳密的には考えず 一般的に電子工作で使用されている物の観点から説明いたします。(説明上、規格上からの相違等ご了承ください)
部品表記
各部の繋りなどを図面として表記する為、回路図は基本的に下記の様に部品を記述します。
- 番号
回路図上の部品番号 例:R1 C2 Tr3 - 仕様
部品名(型式・定数等) 例:4.7k 10μ 2SC-1815 - 構成(備考)
追記情報など 例:極性、ピン番号、備考
接合部
回路図上、部品同士の繋がりは、下記の表記で示します。
※:接続は、●付きを基準に、 未接続のD、Eは、接続部との混乱をきたす為使用しない
基本単位
回路図に記載する部品は、その定数が含まれ、その記号を記入します。
基本的な単位は、下記が一般に使用されています。
大文字と小文字を使い分け、μはuで代用可とし、Ωは省略することが多い。
レイアウト
- 回路図は、実際の部品等の接続上に合わせた位置(部位)、または説明用に構成された位置(配置)に、同一レイアウトではありません。
単純なLED点灯接続図を例に、 下記の単純な書き写しでは回路図として異なります。
実際の回路図表記は、レイアウト上のルールがあります。
原則的に電気の流れが基準
・左から右(電気・信号の流れ)
・上から下(上が「+」 下が「-」)
グランド「GND」
グランドは、通常マイナス「ー」配線を意味しますが、色々な要素を持ちます。
「GND」と表記される場合もあります。
上記例のLED点灯回路図では、電池の「+」「-」から平滑的にLEDへつながれている書き方もありますが、
実際の実回路(配線、基板等)では、それと同様な形で配線されているとは、限りません。
- 理論上の回路と実際の回路での相異
- 安定した電気的動作を導く為の対策処置(ノイズ問題等)
様々な要素で、回路図上では「ー」に繋ぐ意味を、(GND)記号を用いて記入する場合が多くあります。
電源とグランド
電子回路で重要な要素である電源とグランド、電源ラインも上記同様に記号記入することがあります。
記号
電源記号は電源のプラスへ、グランド記号は電源のマイナスへ、接続されます。
未表記など
一般的な回路図には、明確に表現されない部品や未表現部(省略部)が存在します。
接続・配線
- 電源線、グランド線
電源やグランドの記号部分は、同一記号で表記する場合があります。 - 標準的なICの電源、グランド
主にディジタルICは、電源とグランドピンがほぼ同一ピン(ピン配置)の場合が多く、回路図上は省略することが多くあります。 - レイアウト
配線の仕方や実装配線方法などは、回路図に明記されていません。
許容範囲やノイズ対策など、経験に基づいて組み上げる必要がある場合があります。(経験則あり)
部品・筐体
- 部品の種類
同型式トランジスタでのパッケージ種別や、コンデンサ・抵抗などの種類、特別に指定が無い限り、種類の指定は回路図に表記していません。 - 台座
実装には、ICなどのソケット、基板・モジュールの端子、ターミナルを使用する場合が多々ありますが、それら補助部品は回路図上、明記されません。 - 機構部・ケース
筐体・ケース、機構部及びそれら放熱板や取付け部品等共、機構部品は回路図には描かれません。
その他
- 仕様
回路の仕様や詳細機能等、実際の動作の解説や信号及びタイミングなどの説明は、特記を除き回路図に記入しません。 - 機能
デジタルICやマイコンの名称や接続部のみ表記し、内部の動作やソフトウェアなどの動きは説明しません。
まとめ
- 回路図は、JISやIEC規格などで定められた規定があるが、実際には暗黙のルールで描かれている。
- 部品は、番号、仕様(型式)、構成(極性、ピン番号)単位記号を用いて記述する。
- 接合部は●付き交差で、分かりやすく明確に
- 全般的な回路図レイアウトは、信号の流れ(左から右)、電気の流れ(上「+」下「-」)が基準
- 電源とグランドには様々な要素も含み、単独記号で表現される場合が多い。
- 表現されない部位や省略される項目も存在する。
回路図は、上記のような記号や書き方の規格はありますが、実際にはそれに細かく準拠する訳ではなく、目的に合わせた形で表現する事もあります。