トランジスタの特長・役割(初心者向け)基本的に、わかりやすく説明
「トランジスタ」 様々な情報を、色々と調べてみると、
なんとかデバイスがなんちゃらで、〇×△・・・ …です。
複雑な名称や記号が沢山でてきます。
この記事では、専門的要素からの種類や解説ではなく、基本的な要素で単純に説明いたします。
大分類
トランジスタは、仕様・機能などによる、型構成に大分類され
バイポーラ型:一般的なトランジスタ
電界効果型型:FET・・・
絶縁ゲートバイポーラ型:IGBT・・・
と詳細的に分類されていますが、本記事では基本的なバイポーラ型で解説します。
型分類
バイポーラ型トランジスタ(以下トランジスタと略す)は、p、n半導体から構成され下記の型で種別されます。
- NPN型
p型半導体をn型半導体に挟み込む構成
- PNP型
n型半導体をp型半導体で挟み込む構成
挟み込まれた半導体をベースと呼び、他の2つはそれぞれコレクタ、エミッタと呼びます。
トランジスタは、このベースに流れる電流をコントロール することにより、コレクタ・エミッタ間の電流の流れを制御する素子です。
記号
NPN型
NPN型トランジスタの記号、端子(足)配置
中央がベース、矢印が出ている先がエミッタと覚えましょう。
(矢印はトランジスタに電流が流れる向きに一致)
※小型汎用で一般的なNPNトランジスタ:2SC1815、2SC945などが有名です。
私自身、業務でも沢山お世話になっているスタンダードな一品です。
PNP型
基本的にNPN型と同様ですが、矢印が逆向きです。
(トランジスタに流れる電流の向きが矢印に一致で、PNPはNPNと逆に電流が流れます)
※小型汎用で一般的なPNPトランジスタ:2SA1015、2SA733などが有名です。
回路図では、電流は上から下へ表記することが多く、PNP型のトランジスタは、実際に(回路図上)、この様な配置(上下が逆)で表記されていることが多いです。
電流方向
NPN型
NPN型トランジスタは、ベースからエミッタに流し込む電流にて制御します。
ベースから電流を流し込むとによって、コレクタからエミッタへ電流が流れます。
ベース電流を変化させると、それに対応してコレクタ電流が変化します。
PNP型
PNP型トランジスタは、NPN型とは逆にベースへと流れ出る電流にて制御します。
ベース側へと電流が流れると、エミッタからコレクタへ電流が流れます。
つまり、NPN型の電流の方向が逆です。
結果同じ役割を持っています。(同じ役割の為、本記事NPN型を中心に記述しています)
役割
トランジスタの役割、どのような場面で使うか ですが、増幅・・・(その言葉ではなく)
- 少ない電流で大きな電流を制御する ➡ 沢山の電流を制御したいことなのです。
他記事にも解説いたしました「リレー」も、一部その役割は担いますが、
リレーとは?(初心者向け)基本的に、わかりやすく説明
リレーでさえ、その機能を動作させるべき力(電流)が大きいため、適さない場合があります。
他にも、
- 光:電球、複数のLED、パワーLEDなど、結果大きな電流が必要なLEDの発光
- 動:ソレノイド、モーターなど、大きな電流が必要
- 音:スピーカーなどアンプに必要な大きな電流
制御
制御方法の一例をスイッチング動作にて簡単に述べますと、
- 少ない水流で、大きな水流を制御
「1ccの水で100ccの水を制御」 : 水流制御バルブ
「1mAの電流で100mAの電流を制御」 : トランジスタ
- Bに1流すと ➡ C・E間では100倍の流れ
制御例
トランジスタの制御例を一部を示します。
例① :
検出信号10mAのセンサーで、コイル電流100mAのリレーを制御
例② :
出力10mAまでのIC等で、100mAのLEDを発光
例③ :
出力20mAまでのCPUで、200mAのモーター作動
まとめ
- 一般的なトランジスタは、バイポーラ型、構造上の半導体の構成によってNPN型・PNP型と別れる。
- 挟み込まれた半導体がB(ベース)、その他がC(コレクタ)、E(エミッタ)
ベースに流れる電流をコントロール することで、コレクタ・エミッタ間の電流が制御される。 - NPN型とPNP型は流れる方向の違い、機能は同じ。
トランジスタの役割 :
少ない電流で大きな電流を制御する ➡ 沢山の電流を制御したい
大活躍な電子部品です。