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ダイオードとは?(初心者向け)基本的に、わかりやすく説明

ぽちお
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LED(発光ダイオード)の革新で、最近では、おなじみの電子部品ではありますが、LEDだけがダイオードではありません。
昔から電気の通り道で大活躍されている「ダイオード」について、初心者向けに説明いたします。

名称

ダイオードの語源は、ギリシャ語の「di=2」と英語の「electrode=電極」合わせた造語。 つまり「2つの極」(2つの通り道)から表現されています。

ダイオード

電気の流れ(電子の流れ)を片方のみ流す(つまり電気の流れを一方通行に制御する)部品です。

歴史

代表的な2種類の誕生から記述します。

  • 熱電子 : 真空管
  • 個体 : 鉱石・シリコン等の半導体
熱電子(真空管) 個体(半導体) 備考
1873年
フレドリック・ガスリー(英)
熱電子による基本原理(負電荷帯電検電器の現象)に伴う、電流の一方通行を発見。
1874年
カール・フェルディナンド・ブラウン(独)
単一方向誘導性がある鉱石を発見
1880年
トーマス・エジソン(米)
熱電子原理の再発見(電球のフィラメント(正極)から対極する金属部分へ電流が流れている)
1894年 ジャガディッシュ・チャンドラ・ボーズ(印) 鉱石・検波器  
1899年
カール・フェルディナンド・ブラウン(独)
鉱石を用いた「ダイオード」鉱石整流器(1899特許取得)半導体式ダイオード
1900年
ジョン・アンブローズ・フレミング(英)
エジソンの再発見されたこれら現象によりより高い精度の無線用検電器を研究 熱電子を用いた「ダイオード」(フレミングバルブ)の発明者となる。(1904 特許取得)真空管式ダイオード
1906年 グリーンリーフ・ホイッティア・ピカード(米)   シリコン・検波器 シリコンを用いた「ダイオード」検波器(1906特許取得)半導体式ダイオード
1920年代~ 鉱物は特有の針挿不安定真空管式が主となる    
1930年代~   酸化銅とセレニウムの整流器 開発  
1940年代~ 鉱物外物質への半導体理論・技術の向上、品質安定性により、半導体ダイオードが主流となる
現代 動作性等、用途に特化される方式で、現代でも様々な種類・構造を持つダイオードが存在

 

参考:LED(発光ダイオード)

半導体を用いて、1962年に発見されました。この歴史からみても、LEDだけがダイオードではなく(ダイオードの一種(一部))とご理解下さい。

「ダイオード」は、鉱石・真空管時代から大先輩の電子部品です。

 

構造

電極

アノード(プレート)

P型半導体の端子(真空管ではプレート側)を表します。

カソード

N型半導体の端子(真空管では、ヒーター側)を表します。

 

真空管ダイオード

物質を高温に加熱すると、その物質内の電子は熱エネルギーを得て、表面より放出される性質があります。これを「熱電子放射現象」と言い、真空管はこの性質を利用しています。

① プレートと呼ばれる金属板にプラス、カソードと呼ばれる金属板がマイナスになるように電圧を加えてヒーターを加熱、ヒーターで加熱されたカソードから熱電子が放射します。

② 電子はマイナスの電気(電荷)により、プラス側のプレートに向かって移動し、その結果、プレートからカソードに向かって電流が流れます。

③ 反対に、プレートとカソードに加わる電圧の極性を逆にすると、放射したマイナスの電子は、同じマイナスの電気が加えられているプレートにはじき返されてしまい、電流は流れなくなります。即ち、プレートがプラス、カソードがマイナスの時だけ電流が流れる訳です。

これがフレミングが最初に発明した「2極真空管」です。
この効果の利用によって、交流から直流への変換回路に使用したり(整流作用)、 電波(高周波)に含まれる音声信号だけを抽出する (検波)目的などで多く利用されていました。

 

半導体ダイオード

電気を通しにくい物質「半導体」その物に、他の物質を加え、電子結合的に異なる型の半導体を結合させ、その時の電子の流れる方向(性質)を利用しています。

ここでは、代表的な半導体物質 シリコン(Si)を例に記述します。

① シリコン(Si)の結晶に、微量のリン(P)を加える。
この時の結合状態上(電子⁻が多い(自由電子))結合物質(不純物半導体)「n型半導体」を生成

② シリコン(Si)の結晶に、微量のホウ素(B)を加える。
この時の結合上(電子⁻が足らない(ホール))結合物質(不純物半導体)「p型半導体」を生成

③ 生成された半導体を結合させ、それぞれに電極をつけたものが、一般的な半導体ダイオード「pn接合ダイオード」です。

④ アノード(A)からカソード(K)に電圧を掛けると(n型にー極、p型に+極)、
・ n型半導体中の電子は、電源のー極と反発し、+極に引き合う
・ p型半導体中のホールは電源の+極と反発し、-極に引き合う

→ それぞれ引合う(電子の移動に伴い)アノードからカソードに向かって電流が流れます。

 

⑤ アノード(A)からカソード(K)に逆電圧を掛けると(n型に+極、p型にー極)、
・ n型半導体中の電子は、電源の+極に引かれる
・ p型半導体中のホールは、電源のー極に引かれる

→ それぞれが引かれてしまい(電子の移動がない)電流(理論上ほぼ0)が流れませんが、電圧の変位によっては急激に電流が流れる特性もありこの性格も利用したダイオードも存在します。

 

特性

 

  • 順方向特性
    上記のように、ダイオードにはアノードとカソードの2種類の端子があり、この2種類の端子のうち、アノードを「+」、カソードを「-」として順方向に電流を流すと電流が流れ、この時に生じる電圧を「順方向電圧」と呼びます。

順方向に向かって電流が流れる特性を「順方向特性」と呼び、この特性がダイオードの基本的な動作となります。

 

  • 逆方向特性
    逆方向に電流を流すことを「逆方向バイアス」と呼び、この逆方向バイアスをかけても、逆方向には流れません。このようなダイオードの特性を「逆方向特性」と呼びます。

 

種類・働き

構造や半導体の材料等によって、さまざまな機能(特性)を持つダイオードがあります。

検波ダイオード

  • ゲルマニウムダイオードに相性がよく、電波から音声信号を取り出します。
  • 無線機、ラジオ

 

整流ダイオード

  • シリコンダイオードが一般的で、電流の方向性を制御します。
  • 電源回路、保護回路

 

ブリッジダイオード

  • 整流ダイオードを4路組合せ、整流(交流から直流)用に使用されます。
  • 電源回路

 

定電圧ダイオード

  • ツェナーダイオードを使用し、逆方向特性(一定の電圧で電気が流れる)を利用
  • 電源(電圧)回路

 

定電流ダイオード

  • 電圧の変化に関係なく一定電流が流れる作用を利用
  • LED電流回路

 

フォトダイオード

  • 光を受けると電流の量が変化する特性(一定の電圧で電気が流れる)を利用
  • センサー回路

 

発光ダイオード(LED)

  • 電流時に光が発生される現象を使用し、近年では光エネルギー変換部品として大活躍
  • 省エネ照明部品

 

まとめ

ダイオードとは、

  • 電気の流れを制御する、電子回路部品である。
  • 真空管及び半導体方式があり、現在では、半導体ダイオードが主流となっている。
  • その構造上の性質から多種多様のダイオードが存在する)

それぞれの極(端子)をアノードとカソードと定義し

  • 「順方向特性(順方向バイアス)」
    アノードを「+」、カソードを「-」として順方向に電流を流すことを「順方向バイアス」と呼び、この時に生じる電圧を「順方向電圧」と呼ぶ(基本動作)
  • 「逆方向特性(逆方向バイアス)」
    逆方向に電流を流すことを「逆方向バイアス」と呼び、この逆方向バイアスをかけても、逆方向には流れない。このような特性を「逆方向特性」と呼ぶ
    (なお、電圧によって流れる性質を利用したダイオードも存在する)
  • 光エネルギーで大活躍の発光ダイオード(LED)もダイオードの仲間である。

 

  

 

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ぽちお
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シニアエンジニア
ものづくりが大好です。
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