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コイル(インダクタ)とは?(初心者向け)基本的に、わかりやすく説明

ぽちお
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この記事では、電気の世界でよく使用される「コイル・インダクタ」について、初心者向けに簡単に説明します。

その前に、一般的な「コイル」とは、?

コイル

通常、コイルとは、線をグルグル巻いたもの、その形そのものの名称で、様々な分野で使用され、スプリングやバネも同形な仲間です。

  • 「力」が加わると形が変形して、そのものの形を取り戻そうとする(元に戻ろうとする)力の特性を利用して、車両・建造物など様々に利用されています。
  • 「電流」を流すと、磁力との相違関係の影響により、電気的な性格が変異されます。

本記事では、以後、コイル状の物を電気外理論ではスプリング・バネと称し、電気内理論では、コイル又はインダクタとして記し、説明いたします。

インダクタ

電気・電子回路で使用される、上記コイル状の物をインダクタとも言います。
(その中でも、近年では巻線が1対の物をインダクタと呼んでいる風潮もあります。)

  • コイル(インダクタ)とは、

電気・電子回路の「受動素子」の一つである。
「抵抗」・「コンデンサ」・「コイル(インダクタ)」の一つです。
(重要な位置づけではありますが、その性格上、扱いにくいと思われている素子です。)

  • 電気・磁気をお互いに作用させ、その特性を利用する部品です。

導線をコイル状に巻いて、電気エネルギーを磁気エネルギーに変換し、この内部に蓄えられた磁気エネルギーの量はインダクタのインダクタンスによって決まり、その単位はH(ヘンリー)で表します。

  • 単位:H(ヘンリー)
  • 記号:L

 

インダクタンス

基本的なインダクタは導線をコイル状に巻いたものですが、近年ではその中心にコアを用いて導線を巻いたものが主流となってきています。

インダクタンスを表す式は

なお、断面積Sを大きくする、巻数Nを増やす、コアを入れ透磁率μを上げるとインダクタンスが大きくなり(磁界が強力なもの)になります。

 

磁界

  • インダクタの原理

導線に電流が流れるとその導線に対して、同心円状に磁界が発生します。

この導線をグルグル巻きにすると、磁束が強られ、また巻き数を多くするとその巻き数に比例した磁界が発生します。

これは、ファラデーの電磁誘導の法則に伴い磁界の変化に比例して誘導起電力が発生します。(他記事も参考ください。

発電の仕組み(初心者向け)基本的に、わかりやすく説明

 

 

特性

コイル(インダクタ)に電流を流すことによって、その作用に伴う特性が、直流と交流によって、異なります。

電圧と電流

直流

  • 電流ON直後

最初は電流が流れ込まない、そののち徐々に電流が流れ、最終的には通常の導線と同じ流れとなります。これは、自己誘導作用(電流変化を妨げる方向に起電力(誘導起電力)が発生される)のため

  • 電流OFF直後

電流が瞬時に寸断されるため、電流ON直後に比べ電流の減少が急激で時間あたりの変化率が大きくなることから、より高い起電力が発生します。

なお、OFF時に電流が瞬時にゼロにならないのは、インダクタで発生する高電圧によって放電電流が流れるためです。
この性格によって発生される高電圧からの、内部保護回路を要したり、それを利用した高電圧回路も存在します。

交流

  • 電流の流れを妨げる

直流の場合の、徐々に流れる。その前に交流(流れの反転)がある為、流れにくくなります。

妨げる力はオームの法則と同じ「抵抗」を意味し、これを「誘導性リアクタンス」と呼び、単位はΩ(オーム)で記します。

なお、高い周波数であればあるほど、電流が流れにくくなります
(誘導性リアクタンスと周波数は比例)

 

インダクタとトランス

インダクタとトランスは同じコイルの仲間です。
複数の巻線で物で下記用途に使用されるものをトランスと呼んでいます。

  • 変圧電源用トランス

主に電源電圧変換用に使用され、交流電圧の降圧昇圧に用いられ、装置内部に使用される小型な物から、海外での電源電圧変換器及び電柱・工場でも使用される変圧器など、様々にしようされています。

  • スイッチング電源用トランス

近年では、パソコン電源でもお馴染みのAC電源アダプタ、バッテリーから商用電源に変換するインバータまで、より効率的な変換(高い周波数での変換)をする製品に使用されています。

  • オーディオ用トランス

スピーカーなど電子回路とそれを効率よく結ぶ為に整合性(インピーダンス変換)用、マッチング用に使用されます。

 

インダクタとコンデンサ

インダクタの特徴と対比する真逆な性格の電子部品がコンデンサです。

インダクタ コンデンサ
直流 通す 通さない
交流 高周波ほど通しにくい 高周波ほど通しやすい

 

まとめ

コイル(インダクタ)とは、

  • 電気・電子回路の「受動素子」の一つである。
  • 電気・電子回路で使用される、コイル状の物をインダクタとも言います。
    (その中でも、近年では巻線が1対の物をインダクタと呼んでいる風潮もある。)

導線をコイル状に巻いて、電気エネルギーを磁気エネルギーに変換し、蓄えられたエネルギーの量をインダクタンスと言う。

  • 単位:H(ヘンリー)
  • 記号:L
  • 電流の変化率が大きいほど、大きな電圧が発生する。
  • 直流を通し、交流は通しにくい。(高周波ほど通しにくい)

  

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シニアエンジニア
ものづくりが大好です。
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