電子工学
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電源とは?ACアダプターの種類と構造(初心者向け)基本的に、わかりやすく説明

ぽちお
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今回は、電気の源 電力の源 「電源」 について、
電子機器を中心とした、その電源の種別や役割を記述します。

電力の「源」

電源とは、電力そのもの。

発電施設から供給される電力、または、蓄電された電池(電力)が「電源」そのもので、
電力の大元に由来します。

一般的には、電力網に電力を供給する発電施設から供給される電力を「商用電源」と呼んでいます。

 

商用電源

発電
磁石とコイルを用いた電磁誘導を水力、火力、原子力などを利用し回転エネルギーからコイルに交流の電気を発生し得られる電力

発電所で作られた電気は、変電設備や送電線で(様々な変圧を経て)供給されています。

一般家庭などで最も一般的な交流電源(コンセント電源) おなじみです。

 

コンセント電源

電圧 :交流(AC)100V(101V±6V超えない値)
周波数:東日本50Hz、西日本60Hz

 

役割

電源の役割は、電力の源として動作に必要なエネルギーを供給することです。

必要とされるエネルギーはその環境によって様々に分類されますが、ここからは、電子機器を主軸とした「電源」について記述します。

電子回路

産業用機械から家庭用家電製品、PC、PDA、ゲーム機まで様々な装置の内部で構成される電子回路部では、そのエネルギーの源である電源は、交流(AC)ではなく、ほぼ直流(DC)が使用されています。

また、それらは半導体を利用とする構成も多く、直流で数Vレベルで動作しています。

電源部

上記の様に、電気製品(電子機器)の多くは内部的に直流で動作するため、コンセント電源から供給される「交流」を「直流」に変換する必要があります。

筐体の大きな製品などは、その電圧変換を担う電源部が内臓されていることが多いですが、

小型の携帯機器などでは、外付けの「ACアダプタ」(AC adapter)を利用しています。

 

ACアダプタ

商用電源の交流を直流に変換・分圧し、機器への電源を供給する、代表的な電源装置でおなじみです。
以前のACアダプタは、大きく重量感のある製品でしたが、現在では小さく軽く(携帯電話の充電器などと同様)で小型化が進みよりコンパクトになりました。

これは、従来では重量感のあるトランス(変圧器)を利用した「リニア式」から、半導体を多く利用した「スイッチング式」が採用されたことによります。

トランス(リニア)式

簡単でシンプルな回路が特長です。
しかし、電源トランス(鉄心にコイルを巻く重たい変圧器)による、その重さと空間で構成され重量感に溢れています。

このトランスで降圧された低電圧の交流を、ダイオードの特性を利用して交流から脈流し、コンデンサで平滑化して直流へと整流します。

デジタル処理が中心となる電子機器は、より綺麗な電源(電源波形)が重要となり、
上記の回路に、平坦で安定した直流に変換するための安定化回路(レギュレータ)を追加し供給します。

スイッチング式

最近ではACアダプタの主流となり身近で小型なスイッチング方式。

大きなトランスは使用せず、小型で多種の半導体を利用することにより複雑な回路構成ではありますが、軽量小型でコンパクトです。

こちらは、トランス式とは異なり、商用電源の交流を直流に整流し、その後電圧変換します。
整流された直流からの変圧はトランスでは変換できない為、半導体を用いて(トランジスタ等の高速スイッチング回路)によりパルス波で高い周波数の交流に変換し、それを高周波トランスにて変圧します。
(周波数:数10~数100kHzの高い周波数→小型・軽量な高周波トランス利用でコンパクト化)

ただし、高速スイッチングによるノイズの発生があり、このノイズの対策が重要となっています。

 

ACアダプタ比較
トランス式 スイッチング式 備考
質量 大きく重い 軽量コンパクト
回路構成 単純 複雑
部品点数 少ない 多い
耐久性 高い 並み
変換効率 低い 高い
ノイズ 少ない(商用周波数ノイズあり) 多い(高周波ノイズ)
価格 安い 並み 最近では半導体コスト低減→スイッチング式低価格化

 

容量

ACアダプタで供給できる電力は、「電圧(V)」と「電流表記(A)」で表すものが一般的ですが、「電力表記(W)」にて、その供給容量のクラスを表現する場合もあります。

ACアダプタの容量(代表例)
電力 クラス 電圧 電流
6W クラス
5V 1.2A
9V 0.65A
12V 0.5A
12W クラス 3.3V 2.0A
5V 2.3A
9V 1.3A
12V 1.0A
18W クラス
5V 3.0A
9V 2.0A
12V 1.5A
15V 1.2A
24W クラス
5V 4.0A
9V 2.5A
12V 2.0A
24V 1.0A

参考 : 電力(W)= 電圧(V)×  電流(A)
上記クラス外も多数存在します。

 

DC側プラグ・ジャック

出力(DC側)のプラグの形状や極性は、供給された時代や製品によって様々に存在します。

形状

電子情報技術産業協会:JEITA (Japan Electronics and Information Technology Industries Association)
(旧EIAJ)規格では、ACアダプタのプラグの形状は、扱う電圧によって数種に分類し使い分けることとなっていますが、実際によく利用されている物はその規格ではなく、次の種類でよく利用されています。

プラグ径(Φ) 内1.4-外3.4、内2.1-外5.5、内2.5-外5.5

汎用的にも、内径 2.1Φ-外径 5.5Φ 形状の物が最もよく利用されています。

極性

最近では、プラグの内側(センター)がプラス「+」外側がマイナス「-」が主流となっています。

電子工作で使用する場合など、自ら選択する場合は、
「2.1-5.5・センタープラス」と覚え、汎用で統一性を考慮に使用しましょう。

 

まとめ

  • 電気製品の多くは直流の電気で動作するため、交流を直流に変換する必要がある。
  • 電源装置として代表的なACアダプタは、小型化が進みよりコンパクトな製品が主流となってきている。
  • ACアダプタの駆動方式は、従来の重量感のあるトランス(電源トランス(変圧器))を利用した「リニア式」と、半導体回路を多く利用した「スイッチング式」がある。
  • 現在ではスイッチング式が採用された、コンパクトな製品が多くなってきましたが、通信分野、医療機器やその他、ノイズ等のデリケートな環境下などは、従来のトランス(リニア式)も、まだまだ現役で運用されています。

 

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シニアエンジニア
ものづくりが大好です。
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