強電と弱電、なにが違うの?(初心者向け)基本的に、わかりやすく説明
最近では、電気を「強電」と「弱電」の区分け、あまり使用されなくなった名称ですが、今回はこの違いについて、簡単に説明いたします。
この「強・弱」・・・、これは、電気の「電圧」に関係します。
電圧
電圧とは、電気が流れる、その圧力を定義します。
電気・電流を水の流れにたとえると、高い所から水を流した場合、その落差に相当する「水圧」が高くなり、水の流れの勢いが増します。
同様に、電圧が高いほど電気の流れる力が大きくなります。
水圧の圧力単位は「Pa」、電気の電圧単位は「V」(ボルト)、身近な例では、日本の一般家庭で使用される電圧は100V、乾電池は1.5Vです。
専門的な定義の例 : 電圧とは、電位を基準とした両端で、この間で1クーロンの電荷を動かす1ジュールのエネルギーを1ボルトと定める。
基本的には、難しく考えず、電気の電圧は単純に「V」と覚えて下さい。
電圧の高さと種別による分類
電気は電圧の高さ及びその種別によって、「強電」と「弱電」に分けられ呼ばれています。
またその中でも、再分類されています。
なお、この分類は、規格的な分類分けの定義はなく、電力業界、電気業界、電子産業によってその値(V)による再分類は異なるようですが、ここでは一般的に説明します。
強電
- 電圧 48V以上
- 分野 エネルギー
- 技術 電気工学
「強電」の中でも、その電圧によって再分類されています。
低圧
- 電圧 48V ~ 600V
工場等で他種多様で使用される動力、一般家庭の基本的な電圧など、最も身近な電気の電圧の帯域
高圧
- 電圧 600V ~ 7000V
通常の電柱間に使用されている電圧また、主エネルギー産業等
特別高圧
- 電圧 7000V 以上
7000V以上の電圧単位で上限では数十万V
特に発電所、変電所また、より高エネルギーを使用する産業及び施設等
弱電
- 電圧 48V以下
- 分野 信号伝達、情報処理
- 技術 電子工学
専ら、電気(電力・動力・エネルギー)「強電」の対義語が語源である「弱電」
主に電気をエネルギー的な考えではなく、電気を信号として伝えたり情報として処理し各部位への制御を行う分野
強電のような、電圧の差による再分類分けはなく、低電圧帯域に対しての再分類よりも、各用途に対応した呼び名で表現されることが一般的です。
例)通信設備、家電設備、演算処理装置、情報端末など 多種様々
まとめ
- 主に電圧(V)の差で区分けされる。
- 強電 : 48V以上 (エネルギー産業)
- 弱電 : 48V以下 (電子産業)
(注:各分野でその定義の違いがある場合もあります(電圧範囲、交直流など))
昔は、発電や送電・変電・配電などエネルギーを主体とする分野が多く、「強電」からの再分類を電圧差にて定義され、それ以下の分野では、対義語の語源で「弱電」と定義分されていました。
現在では、より多くの電気・電子産業が誕生しパソコンやその周辺装置、電子機器が増え、定電圧、電池でも動作する家電製品が増えました。
そのような中、電圧の差での区分分けは減り、今では「強電」「弱電」の定義差よりも、「電気」「電子」の区分けの方が一般的かと思います。
(もちろん、高電圧を基準とする産業では、その限りでないと思います。)
ちなみに、私の携わってきた分野では、
42V以上(怖い(感電)、42(シ))が「強電」、それ以下が「弱電」
なお、電圧に関係なく、電気は見えなく怖い物で注意しろ! と教わりました。