プルアップ・プルダウンとは?(初心者向け)基本的に、わかりやすく説明
物事を判断する時、事がどっちつかずで、いずれとも定まらずに中途半端な場合、どちら?と迷う場合がありますよね。
今回の記事では、電気信号においてそのON/OFFの指標に関するプルアップ・プルダウンについて説明いたします。
明瞭
はじめに、関連する事柄にて補説します。
明瞭(めいりょう)とは、「はっきりとしていてわかりやすいさま(明らさま)」を意味します。
事情を明瞭化することによって、より物事を正確に判断できますよね
極端な例ではありますが、”人”にて事象を検査に例えてみますと、
音
市街地や生活音がある中では、音のON/OFFの判断に困りますよね、
静かな検査室(防音状態)にてヘッドフォン等を利用すると、音の明瞭化にて 正確性が増します。
光
日中の明るい中では、光のON/OFFのなど明確に判断できません、
暗室など暗い空間で検眼機を利用し光を明瞭化して判断します。
明瞭化により、物事をはっきりさせることによって、
状態が宙ぶらりん(中途半端)とならず、より正確に判断することができます。
プルアップ・プルダウンとは
電気信号を安定させるために使われること。
どちらも電気信号の電圧を安定させるための一つの手法です。
オープン状態
信号線が、電気的に宙ぶらりんでな状態、つまり「浮いている状態」のでは、
不安定な要素(どの電位にも接続していない為)で、環境の変異や些細なきっかけに影響した電圧変異にて、信号電圧の状況が大きく変動します。
つまり、ノイズの影響を極めて受けやすい状態 にあると言えます。
このような状況を「オープン」、「浮き」状態と表現します。
信号線を下記の方法で、このオープン状態を回避させます。
電源側に間接接続(吊る:引上げる→プルアップ)、グランド側に間接接続(落とす:引下げる→プルダウン)し安定化を図ります。
プルアップ
信号線と電源の間に抵抗を入れ(間接的に接続し)、これをプルアップ抵抗と呼びます。
プルダウン
信号線とグランド間に抵抗を入れ(間接的に接続し)、これをプルダウン抵抗と呼びます。
具体例
トラブルが生じる可能性のある簡単な具体例(回路例)を実験的に紹介します。
スイッチのON/OFF信号(微弱環境下)から、トランジスタを使用(増幅)し、その状況をLED表示する回路を想定します。
※ 実験検証に伴い 強制的(接触等)にノイズの混入を誘導しています。
不安定
スイッチラインがオープンな状態、この状況でライン上に仮接触(ノイズ混入)すると、スイッチOFF時にも、このノイズに伴う増幅によってLEDが点灯します。不安定
”誤動作発生”
安定化
上記環境で、プルダウン処置を行うと、スイッチOFFには常時GNDの電位(つまり0V)になります。従って安定化された入力信号となり、誤動作が防止できます。
まとめ
電子回路にて信号ラインの処理時、その入力がどこにも繋がらず未接続で中途半端状況をオープン状態と表し、この場合、不安定な状況(特にHIGH/LOWが不明瞭となる)。
プルアップ・プルダウンは、この不明瞭な状況を、意図的にHIGH/LOWにすること。
信号線を抵抗にて、間接的に電源側へ接続する「プルアップ」、グランド側へ接続する「プルダウン」させ、信号を意図的に安定。
電子回路では、このように様々な方法でノイズ等の対策を行い、安定した処理を行う様に工夫されています