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ヒューズが切れるとは?(初心者向け)原因・調査 基本的に、わかりやすく説明

ぽちお
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ある日突然、電化製品が動かない… ヒューズ切れが原因・・・

最近では、ヒューズ以外を利用した保護回路を設けた製品も増え、この様な場面も少なく思います。

ヒューズの特性

ヒューズに規定容量以上の電流が流れると、内部の合金部位が溶けその結果、電気が流れなくなる状況となります。

この状態を 「ヒューズが切れた」 「ヒューズが飛んだ」 と表現します。

ヒューズは、この特性を利用し装置を保護し、過電流が原因による発火や焼損などを防いでいます。

ヒューズとは? 機能・種類 一般的に、わかりやすく説明
ヒューズとは? 機能・種類 一般的に、わかりやすく説明電気の使い過ぎや、何らかの原因で大きな電流が流れたときに、電源を遮断するヒューズ (温度によって動作する「温度ヒューズ」もありますが) ...

 

ヒューズが切れたら

本記事では、ヒューズが切れる一般的な要因等について説明しますが、

電化製品(家電製品、工業・産業電化製品、高電圧関連機器等その他)の故障(ヒューズ関連も含む)修理は、各製品の取扱説明書等記載の注意事項等を厳守し、必要な場合は、メーカーの保守窓口や各専門の業者へ依頼してください。

一度切れた(飛んだ)ヒューズは、再利用不可です。必ず新しい物に交換必要があります。

 

調査

電流が規定量を超え、電気の流れを遮断するヒューズ。
そのヒューズが切れる要因について、一般的なヒューズが多く利用されている「自動車」を例に記述します。

設置位置

通常は、ヒューズボックス(仕様ごとに集合された形)で、運転席ダッシュボード、運転席右下(足元)、エンジンルーム(ボンネット)などに設置されています。

不明の場合は、車両取扱説明書記載部参照または専門業者に問合せください。

 

取出し

ヒューズの取出しや交換はエンジンの停止、メイン電源OFF後、作業を行います。
(該当ヒューズは蓋部または、その周辺部に表記されています)

「専用の工具」で対応するヒューズを引抜きます。

専用工具が無く通常の工具(ラジオペンチなど)を使用する場合、
使用する工具やヒューズ周辺部の金属部接触によるショート等 最大限に注意し慎重に作業しましょう。(”メイン電源” の供給部も集中しています。)

 

目視 : ヒューズを見て、特に溶断部をよく観察します。

ヒューズがきれる原因

何らかの要因で切れてしまったヒューズは、新しいヒューズに取替る前に「切れた原因」を確かめましょう。

原因を調査せず未対策状態で、新しいヒューズに交換してもまた同様に切れてしまいます。

ヒューズが切れる原因は、一般的に次の通りです。

高負荷、使いすぎ

  1. 過負荷、つまり使いすぎの状態(定格電流を超えた電流である程度超過し(継続的に電流が流れた)の場合
  2. 高負荷、突発的な要因の場合
    豪雪などによる高負荷状態でのワイパー動作や、障害物等を挟む高負荷運転(ドア、窓開閉等)

これら状態で切れたヒューズは、中央部にかけて溶断された「溶けて切れた姿」となる場合が多く見られます。

上記①場合、同一回路で使用する電装機器の定格電流をよく調べ、その回路上のヒューズ定格電流以下で使用できるように対策します。
なお、同一回路上の編成が不可能な場合は、別回路とし増設します。

電力と電流

自動車(一般的な乗用車)の電気を、便宜的に計算上12Vと定義し考えてみます。
(実際は、それ以上の(13.8Vを超える)電圧です。)

 ”10Aのヒューズが切れた” = ”10A以上流れた”

では、そもそも通常の自動車で10Aとは、どれぐらいの電力でしょう…
電力:W(ワット) = V(電圧)・ A(電流)

➡ 12V×10A ≒ 120W

 

 55W(補助ライトなど、その他電装品)の電流は…

電流:A(アンペア) = W(電力)/ V(電圧)

➡ 55W/12V ≒ 4.6A

使用する電装品が電流(A)表記の場合は、その値の加算が合計となりますが、
電力(W)の場合は上記の様に電流値を求め計算します。

例)

一般的な自動車(乗用車12V車)のシガーライターソケットは、ほぼ10Aのヒューズで保護される仕様で多く運用されています。(メーカーや車種により異なる場合があります)

シガーライターソケットから、100Wクラスのインバーターを取付け、家電用の小型冷蔵庫(通常消費100W)などを接続した場合でも、それらの許容を超える(120W以上)運転が生じた場合でヒューズが切れる状態となります。

 

ショート(短路)

DIYで車をいじる中、電装部の脱着時やルームランプの交換などの作業中、工具等にて端子・筐体部などの接触(ショート)で、ヒューズが切れる場合が多々あります。

ショートなど短絡状態で切れたヒューズの内部は、溶け切れた形状よりも「飛散された状態」で溶断されている場合が多く、状況により焦げた跡が残る場合もあります。

また、可動・駆動部の挟込み、被覆破れなどによるのショート等、それらがの要因の場合は、そのエラー状況を改善した後にヒューズを交換します。

 

交換

切れてしまったヒューズは、再利用不可 です。

ヒューズは、その種類(形状)や仕様(電流)を合わせ交換します。

大きな値での交換は絶対にやめましょう!” 大は小を兼ねません!」

ヒューズの仕様を超えた電流、その許容を超える負荷で配線が発熱、
結果燃え広がり多大な事故に繋がります。

 

ヒューズ切れの要因が不明、また交換後ヒューズが切れが多発する場合などは、自分では無理をせずに専門業者、整備工場、ディーラーに依頼しましょう。

 

まとめ

  • ヒューズに規定容量以上の電流が流れた結果、内部の合金部位が溶け電気が流れなくなる状況となりこれをヒューズが切れた(飛んだ)と表現する。
  • ヒューズは過電流の要因となる故障また、発火や焼損などを防ぐ部品です。
  • 電流値を検証する場合、電力からも電流を求め算出する。
  • 要因が不明、電気的考察が不慣れ、また高電圧使用機器などのヒューズ交換や機器の修理は、無理をせず専門業者等に依頼する。

 

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シニアエンジニア
ものづくりが大好です。
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