トランジスタとは?(初心者向け)基本的に、わかりやすく説明
最近ではあまり耳にしなくなった「トランジスタ」・・・、
トランジスタがラジオではありません・・・
正確には、トランジスタを使ったラジオです。
その役割は真空管から始まり、現代では大活躍、なくてはならない電子部品です。
語源
「transfer = 伝達」 と 「resistor = 抵抗」 を合わせた造語で、
電気の流れをコントロールする意味から由来されています。
歴史
1930年 AT&T社(米):
電話通信にて長距離における音声信号の減衰を真空管で増幅。
真空管は小型化が難しく(構造や寿命の問題が課題)
1938年 同社 ウィリアム・ショックレー:
新たな増幅研究 、軍事用レーダー研究
1947年 半導体(ゲルマニウム)に伴う、電流の増幅作用があることを発見
1951年 改良、量産型、動作原理証明 特許申請
1956年 ノーベル物理学賞
上記のように、トランジスタが発明される前、この作用を得る電子部品は「真空管」が使用されていました。
トランジスタの登場で、機器の小型化、高性能、高寿命化が可能となり、現代では、携帯、ノートPC、など電子機器からあらゆる電気産業製品に大活躍しています。
機能
トランジスタには2つの大きな作用があります。
- 増幅作用
小さな電気信号を大きい電気信号に変換する。 - スイッチング作用
電気信号の流れを高速で制御(ON/OFF)する。
これら機能の仕組みは、基本的なことから専門的な詳細まで、様々な書籍及び、Webにも多数の情報があります。
いつも思いますが、ただでさえ見えない電気・・・
その増幅??? など・・・複雑で余計わからなくなり、嫌いになりますよね
ここからは、わかりやすく例えに置き換え説明します。
(例えての表現ですので、専門的には少し異なりますがご了承下さい)
増幅作用
増幅作用とは、信号を元より大きな信号として出力する作用。
しかし、この「増幅」と言う言葉が、まぎらわしく・混同されやすいのです。
- 増幅 = 物が増える
金1g ➡ トランジスタ(増幅) ➡ 金100g なわけないですよね
解説
増幅作用を、いつもの例えで表現する、電気を水に変えて解説します。
上記の様な表現で考えてしまうと、
水10ccが増幅によって、水100ccに増える
➡ 自然に(勝手に)どこから水が涌いて10倍になる なりませんよね
そこで、下記のような図例で見直して下さい。
元から100の流れがある水を、0~10の水で制御する。
つまり、結果的に増幅した様に見える、これを「増幅作用」と定義しているのです。
次に、上記の水の流れをイメージしながら、水管バルブに置換えてみて下さい。
上からの、大きな水流を横からの水流バルブで制御とイメージして・・・
各部に名称を付け、次に、実際のトランジスタ(記号)に置き換えてみます。
水バルブ | トランジスタ |
少ない水流でバルブ回転 → 水の水量を調節する | 微弱な電流で → 大きな電流をコントロール |
この電流制御が、トランジスタの増幅作用となります。
スイッチング作用
増幅作用のような、強弱をコントロールことではなく、微調整などしないで、一気に大きな流れを制御すること、これがスイッチング作用です。
これは、少ない水流で大きな水の流れを一気に制御する「リレー」と類似していますが、
リレーとは?(初心者向け)基本的に、わかりやすく説明
トランジスタは、小型で高速、省電力で作用します。
電極
トランジスタは、半導体を用いて構成され3つの電極があり、ベース(base)、コレクタ(collector)、エミッタ (emitter)、ぞれぞれ名前がついています。
- B(ベース)
土台(機構上)、つまりベース(base) - C(コレクタ)
電子収集(Collect) - E(エミッタ)
電子放出(Emitting)
まとめ
- 増幅作用「真空管」を用いて利用していたが、軍事産業で研究から発明された、消費電力が少なく高寿命な「トランジスタ」を半導体を用いて発見、開発された。
- 増幅作用:微弱な電流で、大きな電流へコントロール
- スイッチング作用:微弱な電流で、一気に大きな電流のON/OFF制御
トランジスタは、電気的仕様(目的・電力など)によって、超小型なものから、放熱板を持っ大型製品まで様々な形で供給されています。
現代では、一般家電製品から産業機器までさまざまな製品に 及び、より高密度化に伴う、集積回路(IC)やCPU(中央演算処理装置)の内部構成にも応用されています。
本記事では、トランジスタの役割を、例えを元に砕いて(専門的には少し異なる意味合いもあります)記述してみました。