ディレーとは?(初心者向け)基本的に、わかりやすく説明
交通機関などで、予定時間を遅れて到着するときに用いられる「ディレー」、この記事では、電気・電子の世界で使用されるディレーの意味や内容を解説いたします。
意味
ディレー(Delay)
一般的にディレーとは「遅延」と意味をし、期日や時間など、予定された期日や時間におくれること、交通機関などでは”遅延証明書”でもなじみ深いですよね。
遅延
ディレーとは遅延、つまり 「のびて遅れる」こと。
この状況を電気的に処理しその時間差を利用します。
用途
電気・電子の世界で、遅延処理(回路)を利用とする身近な例では、
- 玄関照明、センサーライトなど
スイッチOFF後、ある程度の時間推移後(遅延)消灯 - 自動ドア
出入り口やエレベータなど時間差(遅延)にて閉鎖 - ベルトコンベア、生産ライン
タイミング等、時間差を制御する処理 - 信号機
交通制御、運行システムなど
遅延回路
遅延回路は、主にタイマー制御によって、タイミング(時間差)の処理を実行します。
なお、タイムディレー(time delay)回路 や ディレー(delay circuit)回路とも言われています。
動作種別として、時間経過後にONとなる「オンディレー」 また、OFFとなる「オフディレー」があります。
仕組み
電子回路にて、ディレー回路の「時」を制御する方法は、
基本制御
一般(基本)的には、コンデンサの電気を蓄積する性質と、抵抗に伴う電流制御の組合せで構築されています。
その他
上記とは別に、高精度な処理を求める場合は、そのタイミング処理をデジタル回路、IC、またはマイコンなどを実装して処理します。
種別
ディレー制御は、その仕様や分類によって電子回路から製品まで様々に存在します。
タイマーリレー
タイマーリレーは、ディレー制御の代表的な製品として有名です。
なお、アナログ式とデジタル式に分類されその特徴は、
アナログタイマー
コンデンサと抵抗の組合せ(CRタイマー)方式が多く、安価な価格構成ですが、精度ではデジタルに劣ります。
デジタルタイマー
クォーツやデジタル発信方式が採用され、精密な時間制御やタイミング処理に有利ですが価格は高価となります。
仕様やその他、特性等を比較すると、
ディレーモジュール
遅延処理が内蔵されたモジュール(基板回路)で、リレー搭載式も存在します。
回路・制御
タイミング制御など、それぞれの場面で各仕様に適した形にて、上記などの様々な製品やモジュールで構成されていますが、もちろん部品の組合せでディレー回路を構築し組み込まれている場合も多数存在します。
回路の一例で、基本回路の一部を紹介いたします。
オンディレー
動作の開始を遅らせる方法を、前項にも記したコンデンサの「蓄電」と抵抗制御の組合せで構築する基本ディレー回路
- スイッチON、抵抗に伴う電流制御にてコンデンサに蓄電開始
- コンデンサの蓄電時間は、その抑止された電流に比例
- つまり、蓄電時間は、それぞれのC、Rの値にて設定可能
- したがって、開始時間が遅らせます。
オフディレー
抵抗との組合せに伴う、コンデンサの「放電」特性で、その状態(間隔)を利用したディレー回路
- スイッチ押下でコンデンサに充電(抵抗がないため即座に充填)
- スイッチ開放後、抵抗により放電(電圧降下(CR組合せ))
- 放電の間隔において、その電圧以上で一定時間、動作し続けることが可能となります。
まとめ
ディレーとは、遅延回路を示し、事象の始まりや終わり時間を抑止する回路。
ある状態で一定の時間を保つ場面などにディレー回路は利用されている。
ディレー処理は、内部回路から製品までその特性に合わせ多種に存在する。