チャタリングとは?(初心者向け)基本的に、わかりやすく説明
「ポチる」マウスのクリックやその他スイッチ等を押す行為など、最近ではよく表現されています。
しかし、その操作「ポチっと(一回)」が「ポチポチ・・ポチ…」と、実際の入力と異なってしまうと大変なことになってしまいますよね。
今回の記事では、このような現象について、説明します。
チャタリングとは
チャタリングとは、様々な要素で発生する、電気信号の「ばたつき」を意味します。
本記事では、チャタリング発生源の代表格でもあるスイッチを中心に解説いたします。
電子・電気回路など信号制御で重要な「スイッチ」
そのスイッチが持つチャタリングは、動作に関する事柄(現象)の1つで、接点(スイッチの接点やリレーの接点なども含む)、機械的な接点が切り替わった直後に、その接点の「ばたつき」等にて実際の電気の流れ(信号)がONーOFFを繰返す現象を言います。
スイッチの構造については下記記事もご参照下さい。
スイッチの構造
「接点」の動作(接続・切断)は、一瞬で動作後、止まっているように思えますが、実際には
・動作環境(速度圧力など)
・バネのバウンドや振動
・接点の種類や形状
・劣化、形状劣化
など様々な影響で「チャタリング」は、必ず発生しています!
コンピュータや様々な電子回路は、その「ばたつき」を信号のON-OFFとのタイミングとして処理される場合があります。
これが、電気・電子回路のチャタリング問題で、この対策を行わないと不具合の温床となり動作が安定しません。
波形
各電源よりスイッチを経由しLEDを点灯させる単純な回路。
スイッチ押下時(ON)の実波形を簡易オシロスコープで観察、
なお、各製品の特性や環境及び動作時のタイミングによって様々に異なります。
プッシュスイッチ
ドグルスイッチ
マイクロスイッチ
リードスイッチ
タクトスイッチ
OFF時に発生するタイミングも勿論存在します。
リレー
接点を持ち動作するリレー、単体のスイッチとは異なりますが、その接点にも同様な事象が含まれます。
その他
接点を持たない構造な物でも、チャタリング現象は存在します。
水位が上昇し、その点を検出する水位センサーや、その他の様々な状況を検知するセンサ等など、状況の揺れ(バウンド・しきい値)の影響に伴い、それがチャタリングと生じています。
対策
先に述べました様に、チャタリングは確かに様々な場面で存在します。
しかし、全てに対しての問題化やその完璧な対策は必要とされません。
問題がない場合
結果的にその動作にて影響が生じない(感じられない)場合は、
それらを完璧な状態とすべきタイミングを作りだす制御にかけるコスト高の方が問題です。
スイッチON・OFF瞬間に目で感じられない(≒0.001秒以下)ぼどのちらつきなど、人間の目には、影響ありませんよね
ON・OFFのタイミングより、結果的に ♪チン(焼き具合 ホッカホカ(暖 方が大事ですよね
影響がある場合
スイッチのON・OFF及び電気信号のタイミングに影響がある制御の場合は、チャタリングに対応する処置が必要となります。
電子回路やコンピュータなどは、高速で処理(内部では物凄い速さで各信号を意識し計算・演算・制御)を行っています。(こちらは、人間では到底意識できない超高速の世界です。)
実際の処理内容に対応する値として補正する(チャタリング対策を施す)必要があります。
「ポチっと(一回)」が「ポチポチ・・ポチ…」っと、異なる回数(怖いですよね)大変なことになります。
まとめ
- チャタリングとは、様々な要素で発生する、電気信号の「ばたつき」
- 特に接点を持つ部品(スイッチ等)から発生する場合が多い
- ON時のみに発生する特有な現象ではなく、OFFでもそのタイミングは発生する
- チャタリングは、その仕様など特に支障なき場合は、問題とされていない
- 電子回路や演算回路など、動作に影響がある場合は、十分な対策が必要