チャタリング 影響と対策(初心者向け)基本的に、わかりやすく説明
チャタリングは、電気信号のバタつきの一部で、機械式接点を持つスイッチでは特有の現象
本記事では、これらの影響や対策について実例を元に紹介いたします。
チャタリングとは
電気的なチャタリングとは、機械的な接点が切り替わった直後に、その接点の「ばたつき」等にて、実際の電気の流れ(信号)がONーOFFを繰返す現象
誤動作
様々な電子回路(コンピュータ内臓含む)は、電気の流れを信号として処理しています。
不安定な電気の流れを「信号」として意識してしまうと、誤動作の原因となり、様々な問題が発生してしまいます。
対策を行わないと、不具合の温床となり安定した動作が行えません。
実験
下記回路を作成して検証します。
10進カウンター 「スイッチON ➡ カウント」
1桁仕様:10進バイナリカウンターICを使用し、7セグドライバICにてLED表示
回路図
マイクロスイッチON数と7セグLEDの値が全く一致していません 明らかに不安定で、動作不良です。
対策
上記の様な、チャタリングが原因とされる誤動作は その対策をする必要があります。
コンピュータ回路
コンピュータで構成される回路では、ソフトウェア(プログラム)によって対策処理を実施している場合が一般的です。
電子回路
ハードウェア(回路)として多々ありますが、ここでは代表的な対策回路の方法を一部紹介いたします。
フィルター回路を利用し、…RCの…〇×△□…….の周波数が…との難しい話でなく、
簡単に(極端な表現ではありますが その考え方を 記述します。
① バルブの振動でブレブレの水流は、一旦タンクに貯水して流すと→その後の水流は比較的安定した流れになりますよね、
※ この考えを電気に置換えます 水:貯水(タンク) 電気:充電(コンデンサ)
徐々に(じわじわ)と電気が溜まったり(抜けたり)とする時間後に、伝達するイメージ
② じわじわとする変化は、信号としてその境目に「切れ目」がなく中途半端(不安定)な状態となるため、これを(キレッキレ)にする為に、IC(集積回路)を利用します。
つまり、電圧レベルの不安定(ONでもなく、OFFオフでもない)中途半端な状態から、
ON/OFFの区別(境い目)をはっきりさせたデジタル信号として導き使用します。
RC回路
抵抗(R)とコンデンサ(C)の組合せ、コンデンサの充放電に要する時間を利用します。
各容量値によってタイミングの間隔は異なり、生じた時間にて チャタリングが問題とされる時間分遅延させれば、その影響はなくなります。
NOT回路
NOT回路は論理的に否定の機能を持った回路で、「入力1(ON)に対して0(OFF)を出力」、反対に「0に対しては1を出力」する回路です。
この機能を持つ集積回路(IC)は、NOT回路やインバータ(反転)回路とも呼ばれています。
シュミットトリガインバータ
NOT回路は簡単な回路でも構成できますが、ここで問題となるチャタリング対策として効果的に有効となる、ICを使用します。
シュミットトリガインバータICは、ONとOFFの境い目(閾値)を、電圧値として明瞭的区分けし動作させる性格を持ちます。
実装
- RC
R:10kΩ C:0.1μF - NOT
シュミットトリガインバータ:74HC14
NOT回路2連組合せにて反反転(ON>OFF>ON , OFF>ON>OFF)処理
“チャタリング防止回路(3ms遅延) “
対策後
先の10進カウンタ実験回路を2基(2段)使用し検証します。
上段(2ch):対策対応
下段(1ch):直入力(未対策)
回路図(対策)側のみ
上段側(2ch)、対策処理によってシャープな波形と共に、それが基準とされ正確なカウントアップ処理にて実行されています。
まとめ
- チャタリングは、スイッチなどの接点に伴う、電気的なバタツキ現象。
- チャタリング対策を行わないと動作が不安定となり、不具合の原因となる。
- 回路構成によって、それぞれ異なる様々な対策処理がありますが、
効率的な処理で対応する必要があります。