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コンデンサとは?(初心者向け)基本的に、わかりやすく説明

ぽちお
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電気・電子部品の中で多種多様に使用される「コンデンサ」について、初心者向けに説明いたします。

コンデンサの名称・意味は・・・

名称

一般的にはあまり聞きなれないコンデンサですが、名称から、コンデンス(濃縮する)から由来され、電気・電子部品以外では、

  •  熱機関 → 冷媒循環 → エアコン用コンデンサ
  •  食品 → ミルク濃縮 → コンデンスミルク

など、濃縮・凝縮を指す語源で使用されています。

コンデンサ

電気・電子回路で多く使用されている

  • コンデンサとは、

電気・電子回路の「受動素子」の一つである。
「抵抗」・「コンデンサ」・「コイル(インダクタ)」の一つです。
(その中でも、近年では、高容量のものをキャパシタと呼んでいる風潮もあります。)

歴史

コンデンサは蓄電を意味します。つまり電気を貯めること、

電気の歴史からも、参照下さい。
電気と電子、なにが違うの?(歴史編)基本的に、わかりやすく説明

静電気の発見から、それを貯めるライデン瓶(18世紀)、日本ではエレキテル(蓄電装置)などが、コンデンサの始まりです。

向かい合った2枚の金属の板

と構成が類似しています。

摩擦・静電気

  • 雷雲

上昇気流に伴う空気中の粒子が摩擦し発生、雷雲(主に積乱雲)の上部にプラス(+)、下部にマイナス(ー)が溜まる。

  • 下敷き

子供の頃プラスチック下敷きを脇に挿み擦り、それを頭の上に乗せると髪の毛が逆立つ、これは、プラスチックにマイナス(-)が溜まり、それによって誘発されたプラス(+)で髪の毛が引き合う現象

これらの現象も、

向かい合った2枚の金属の板

と構成が類似しています。

電荷

見えない電気(いつもの表現ですが)、その電気には(+)と(-)の存在は、電気と電子の違いで説明いたしましたが、

上節の様に摩擦等による静電気によって電気が発生されたことを「帯電」と言います。また
それらに付着している電気のことを「電荷」と言います。

根本的に「電気」と「電荷」は同じものでありますが、「電荷」はこの様に、物体が帯びた(+)(-)を意識したその量を示した名称です。

構造

歴史から見た、基本的な考え方(構成)とほぼ同じで、2枚の金属箔又は金属板等が絶縁体(電気を通さない)を挟み込んでいる構成です。

コンデンサがためる電荷の量のことを、「静電容量」又は「電気容量」と言い、この単位はF(ファラド)で表します。

  • 単位:F(ファラド)
  • 記号:C

この容量は、向かい合った電極版の面積に比例し、その電極間の間(距離)に反比例します。つまり、板の面積が広ければ広くするほど及びその板間隔を狭くすれば狭くするほど、静電容量が大きくなります。

これら電極版の素材、間の絶縁物質の素材、及び構造によって、コンデンサの種類があり、性質も異なります。

性質

電荷を貯める基本的な特徴から、それら性質について記述します。

電荷を蓄える

① 絶縁体で挟まれた向かい合った2枚の金属の板に電圧を加えると、その金属の板に電荷が流れ込まれます。

② プラス(+)とマイナス(-)がお互いに引合いますが、絶縁体で挟まれているため、流れません。

③ その後しばらくるすると、金属板に電荷が流れ込めなるなりますが、このときお互いに引合う、プラス(+)とマイナス(-)でその金属板に溜まります。

④ 蓄えられた電荷は、それらを流しこむ回路に繋ぐと電荷が流れ込み放電されます。

直流は通さないが、交流は通す

挟み込まれている絶縁体によって、電気は流れません。従って直流電流は、流れません。

一方、交流は流れる特性があります。(不思議に思いますよね)

交流(周期的にプラス(+)とマイナス(-)が変わる = 電流の向きか変わる)を、水流で例えてみます。

水流パイプに道中に、柔らかいゴム板によって区切られた物をコンデンサと仮定します。

  • 直流の場合、遮蔽されていますので、水は流れません。

 

  • 交流の場合、このゴム板の収縮(振動)によって、左右交互に水流が生まれているのと同等になります。
    ゴム板で仕切られた左右の水流は交流が流れる導線部に相当されます。

 

同様に2枚の金属板に電荷が蓄えられるその直後に電流の向きが切り替わると、またその結果によって向きも異なった極性で電荷されます、つまり、交互にこの作用が切り替わります。

したがって、この中を交流電流が流れるのと同等とみなすことができます。
この電流を「変位電流」と言います。

交流は周波数が高いほど通しやすい

上記の作用により、コンデンサは交流は流れると説明しましたが、その結果的には、
電流が流れにくいが流れるとの性質もあると言えます。

この結果、電流が流れにくい(抵抗)が作用され、これを「容量性リアクタンス」と呼び、単位はΩ(オーム)で記します。

交流における電荷蓄電の相互作用のスピートが早ければ早いほど、つまり周波数が高いほど、通しやすい性質があります。

基本的な使われ方

コンデンサの主な使用方法は、

  • 放電回路

基本的な特徴の活用方法で、蓄えた電荷を放電させ、その時のエネルギーをカメラのストロボ、バックアップ回路、メモリー回路など使用されています。

 

  • 平滑回路

交流電源から直流電源に変換(整流)した時の脈流(波形)をより滑らかにする為に使用されます。主に電源回路で活用され、安定した電源の供給が目的です。

 

  • カップリング・デカップリング回路

カップリング回路 : 直流成分のカット(DCカット)で使用
デカップリング回路 : ノイズ(高周波ノイズ等)の除去で使用

 

  • 同調回路

コイルと可変コンデンサ(バリアブルコンデンサ)を組合せ、特定の電波の周波数を算出する回路に使用されます。

 

  • 進相コンデンサ回路

交流電動機など、交流回路において力率を改善(位相打消し)する設備に使用されています。

 

使用方法によって様々な特徴があり、その性質によって、電極版の素材、間の絶縁物質の素材、及び構造があり、様々なコンデンサの種類があります。

 

コンデンサとコイル(インダクタ)

コンデンサの特徴と対比する真逆な性格の電子部品がコイル(インダクタ)です。

コンデンサ コイル(インダクタ)
直流 通さない 通す
交流 高周波ほど通しやすい 高周波ほど通しにくい

 

まとめ

コンデンサとは、

  • 電気・電子回路の「受動素子」の一つである。
  • 最も多く使用される電子部品で、重要な部品の一つである。
    (高容量の物をキャパシタ、スーパーキャパシタと呼んでいる風潮もある。)

2枚の金属板等に絶縁体を挟み込み、電圧を加えることによって電荷を蓄え、その容量を「静電容量」または「電気容量」と言う。

  • 単位:F(ファラド)
  • 記号:C
  • 直流は通さないが、交流は通す(高周波ほど通しやすい)
  • 使用方法、目的、用途によって様々な種類のコンデンサがある。

 

  

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ぽちお
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シニアエンジニア
ものづくりが大好です。
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