【電子工作】初心者向け!LED点滅回路「Lチカ」たくさんのLED同時点滅方法
LEDの点滅 Lチカ 様々な方法がありますが、この記事では、
多くのLEDを同時に点滅させる方法を、電子工作にて具体的に紹介いたします。
点滅回路
他記事にも紹介いたしましたが、点滅方法には様々な方法があります。最近ではマイコンやマイコンボードを用いた解説も多数あります。
今回は、マイコン用いた点滅回路を利用して、たくさんのLEDの点滅方法を紹介いたします。
(なお、制御ソフト等の紹介は割愛いたします)
許容範囲
マイコンやマイコンボードは一般的な電子部品同様に、使用できる電気的(電圧や電流)の許容範囲があります。
電子工作でお馴染みのマイコンを例に
PIC
一般汎用の8ビットファミリーなど、
電圧:5V
電流:最大電流 約20mA以下
Arduino
電圧:5V
電流:最大電流は約40mA以下
Raspberry Pi
電圧:3.3V
電流:最大電流は約16mA以下
ポート最大の合計許容電流、マイコン全体の合計最大許容電流もあり、
より小電流での制御方法が現実的な値となります。
たくさんのLED
一般的な汎用小型のLED 単体使用で標準基準値の電圧電流値は約2Vで約10mA、
たくさんのLEDを複数繋げる接続方法は以下にあげると、
並列接続
それぞれのLEDに抵抗を繋ぎ、それらを並列に接続する回路。
この回路では 一列のLED に約 7mA の電流が流れ、合計での電流は約 30mA となります。
しかし、この方法では、LED の数が増えると同時に電流が増えていきます。
つまり、たくさんの LED を点灯させるためには、より電流の容量が大きくなります。
直列接続
直列にLEDを繋ぎその列に抵抗を繋ぐ直列回路。
直列のLEDにに電流が流れるため、同列的に(全体の電流)は増えません。
この回路では、列内にLEDが4個(2Vx4)=8V以上が必要となり5Vでは光りません。
従って、電源電圧を8V以上の12Vで回路を構成すると、約10mA
(上記の並列4個よりも、電流は低くなります)
こちらは、点滅回路で使用するマイコン等の電源電圧を考慮する必要があります。
➡ 直列に繋いだLEDの列を、並列に束ねて繋げれば、より多くのLEDが点灯できます。
どちらの方法でも、たくさんのLEDを接続するとマイコンの許容値を超えてしまいます。
つまり、なにもしなければ、より多くの数のLEDを同時に制御することはできません。
スイッチング回路
スイッチング回路とは、点灯・消灯、つけたり・けしたり、ON・OFF を制御する回路。
ここからは、電子部品を使用したスイッチング回路を利用し、たくさんのLEDを同時に制御できる回路を数種類紹介いたします。
なお、本ログは、初心者向けの方を中心に解説しています。
(机上で理論上からの設計~実装ではなく、その前に実際の電子部品に触れ工作し、慣れ親しむ形から徐々に学んでいただく形で紹介しています。)
では具体的に、12Vの電源電圧で、LEDを20灯(上記の束る方法)の利用を考えてみます。
12Vの電圧と50mAの電流制御が必要です。
トランジスタ
小さなベース電流で大きなコレクタ電流が制御できる、その特性を利用します。
電子工作で定番 汎用で一般的な 2SC1815
データシートをから、直流電流増幅率(hFE)・・・コレクタ電流(IC)・・・ベース電流(IB)・・・などを参考し、また安全性を考慮した値で運用します。
(ここでは各パラメータなどの計算・設計は省略します。)
ディレーティング(安全性など)を考慮する1/2のデータ値でも、このトランジスタは、大まかに、75mA(25V)の制御は可能、
目的のLEDの点滅は、この範囲内にありこの仕様で回路を組みます。
回路図
PICマイコンを利用した点滅回路にて、トランジスタを使用した一例を回路図を示します。
電源電圧を12Vで構成し、マイコン用の電源は3端子レギュレータを使い5Vに降圧します。
トランジスタを利用することにより、
マイコンから≒1mAの電流で20灯のLED ≒50mAを同時点滅
FET
FETは、電圧によって流れる電流を制御できる電子部品
(FET:Field Effect Transistor(電界効果トランジスタ)名前の通りトランジスタの仲間です))
上記と同じパッケージ(TO-92)タイプで汎用的な 2N7000
ディレーティング考慮値、100mA(30V)以下の制御可能
回路図
Arduino NANO マイコンボードを利用した点滅回路にて、FETを使用する一例の回路図を示します。
こちらも、マイコン用の電源は3端子レギュレータを使い5Vに降圧します。
リレー
リレーは、電気信号で、繋ぎ合わせた電気回路のオン/オフや切り替えを行う部品
但し、そのリレーを使用とする電力は、マイコンの出力容量では電力不足です。
上記と同じ方法でトランジスタを利用して、まずリレーを動作させます。
(つまり、今までの応用編ですね)
リレーの接点の仕様が、使用できる容量の範囲となります。
DC 2.5A 15V 制御可能な パワーリレー G5Q-1A
を使用して、本回路は Vf 3.0Vの Flux LED を30灯(計≒180mA)点滅してみます。
※ 2500mA : 180mA とオーバースペックではありますが、リレーを使用することを目的として紹介しています。
回路図
Raspberry Pi Pico マイコンボードを利用した点滅回路にて、トランジスタとリレーを併用した一例の回路図を示します。
こちらも、マイコン用の電源は3端子レギュレータを使い5Vに降圧します。
※激しい光の点滅にご注意ください
まとめ
- マイコンなどはその許容範囲があり、なにもしなければ、多くの数のLEDを同時に制御することはできない。
- 少ない消費で大きな電力制御可能な、スイッチング回路を利用し制御する。
たくさんのLEDを同時に制御する回路、電子部品を使用し慣れ親しむ形(電子工作)を主に紹介いたしました。
後に、過大な電力やタイミング等での制御方法は? などと感じる疑問点から、使用すべき素子の選定や設計・計算などを調べ、より奥の深い電子回路への意識向上など・・・お楽しみいただけたら幸いです。